2013年03月23日

カチラクンディでのポリオワクチン接種

カチラクンディは、カラチ市に住む1800万人が出すゴミの処分場です。
パキスタンには全国どの都市部でも焼却炉は無く、平原にこのような処分場が存在しています。

ゴミの容積を減らすために野焼きされています。そして、その中から金属などの有価物を拾い集めて暮らしの糧にしている人が処分場内に住んでいます。
このカチラクンディには5000人ほどが暮らしています。
そして、ここに10年前にアル・カイールアカデミーの分校が建てられました。現在200人ほどの子どもが学んでいます。


このカチラクンディで、先日、ユニセフによるポリオワクチンの接種が行われました。
先月カラチ市内でこのワクチン接種を行なった医師1人、看護婦7人をタリバンが“アメリカのスパイである”として、殺害する事件があったために、自動小銃を持った警官に守られて厳重な警戒のもとワクチンの接種が行なわれました。

この写真のように警官に護衛された看護婦が、木切れや布きれで作られた家々を訪ねてワクチン接種が実施されました。


タリバンによる、ポリオのワクチン接種行為者殺害のニュースは日本でも報道されています。
http://www.cnn.co.jp/world/35026057.html

カチラクンディで行われたポリオの予防接種を見て、日本でも報じられている報道の片寄りを強く感じてしまいました。何故でしょうか?
住民への何の予告もなく、警察車両2台に10人近くの警官の警護付でユニセフから雇われた看護婦の女性が予防接種の説明もせずワクチンの接種(飲ませる)を機械的に行なっていました。

ポリオは伝染病でもあり、この地域には様々な感染症が発生しやすい環境にあります。
生活改善を何とか目指していかなければならないにも拘らず、この予防接種にはその配慮を全く感じませんでした。
報道での主張も、ワクチンを接種すればポリオ(延髄、脊髄、脳を犯すがまれに死亡することもある病気)に罹ること防げるとしています。

ですが、清潔な飲料水の確保、排せつ環境、栄養確保などが必要なことには関心を示していません。
ワクチンをどれだけの子どもに接種したのかに目的が絞られているように見受けられました。


ユニセフの子供白書によると、2012年に全世界の5歳未満の子どもの死亡は800万人近いと言われています。
その原因の多くは肺炎・下痢性疾患・出生時の合併症であるそうです。
ワクチン接種を実行している機関は、このような現実を飛び越えて、住民に説明もなしにワクチンを接種させ、ワクチン接種を妨害しているタリバンの行為は許されないことだと批判しています。

一方、タリバンは、アメリカによる無人機での爆撃を止めない限りは、ワクチン接種行為者への多くの攻撃を止めないとしています。
このように、ワクチン接種が子どもの命と環境を守る軸とならず、そのうえ報道も非常に政治的になっていているように感じられ、子ども達の現実に立った報道を望んでいます。


ポリオ1.jpg
自動小銃を持つ警官(手前)とポリオのワクチン接種を行なう看護婦(奥の黒い服の女性)

海外事情担当 西村

posted by jfsa at 09:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 海外事業 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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